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Xfer Serum を学割で購入する
Serum を学割で購入した
Serumはオーディオプラグイン開発元のXfer Recordsからリリースされているソフトウェアシンセサイザーです。以前、筆者は学割ライセンスの発行申請をして、定価から30%引いた価格でこのシンセを手に入れることができました。この記事ではまず、Serumの学割はどのようなものなのかを丁寧に調査した上で、どのように学割でSerumを購入するのか、順を追って解説していきます。
いろいろなSerumの購入方法
まず、Serumを購入する方法はおおむね以下の3通りです。なお、価格は2023年11月現在の価格です。
購入場所 | 価格 | 割引価格 |
---|---|---|
xferrecords.com(公式) | $189.0 USD | $132.3 USD (-30%) |
SONICWIRE | 28,633円 | ❌ |
Splice | $9.99 x 19ヵ月 | ❌ |
一つ目に他の小売店から仲介することなく直接Xferから購入する方法、二つ目に国内販売代理店のSONICWIREから購入する方法、また、三つ目にサブスクリプション制のサンプル音源を提供するサービスであるSpliceで19か月のレンタル利用を行って手に入れる方法(Rent-to-Own)があります。今回のようにSerumを学割価格で購入する場合は、公式サイトで購入する必要があります。
それぞれの販売元の情報をくわしく知りたい読者の方は、以下の販売元のウェブサイトを閲覧するとよいでしょう。
学生さんは学割で購入しよう
本当にSerumを公式サイトで購入するべきなのでしょうか。もちろん、プラグインの購入後、日本語サポートがないと不安という意見や、ただでさえ様々なプラグインが容易に割引される可能性のあるプラグイン界隈では、他の販売サイトが行うブラックフライデーや、サイバーマンデーなどのセールで公式価格以上に安く買える場合があるのではないか、という意見もあるでしょう。しかし、もし読者の方が学生で、本製品を安く買えないか案じている場合は、学割価格で購入することをおすすめします。
現代のツールを使えばサポートは問題なし
たしかに、英語があまりわからないという方にとっては、販売元のサイトを閲覧したり、学割ライセンスを送ったり、販売元のフォーラムで助けを求めたりする場合、言語の壁を感じることがあるかもしれません。しかし、こうした問題はGoogle翻訳やDeepL、最近ならばChatGPTやMicrosoft CopilotなどをはじめとするLLMに助けを求めることで十分解決可能です。また、単純にこういった海外のサイトで何かを購入するという経験は、今後新しいプラグインについてのお買い得情報情報をいち早く入手したり、Xfer以外のプラグインを買ったりする場合にも役立つことがあるでしょう。したがってサポート面では、現代のツールを使えば十分対応可能であると思います。
Serumは学割価格が最安
そして、2つ目の懸念事項に関しても、Serumを含むXfer製のプラグインに限れば、公式価格以上に安く買える可能性はありません。DTMに関する情報が数多くやり取りされているワールドワイド規模のKVR Forumという英語圏の掲示板があります。ここには、”Is Xfer Serum ever discounted?”(「Serumって今まで割引されたことある?」)という投稿があり、Serum は販売当初から一切セールをしないシンセであることが言及されています。今後製品が割引される可能性が全くゼロであるとは言い切れませんが、本製品が2023年の執筆時点で9年間の販売実績があることを鑑みれば、その可能性はあまりないと思います。
Is Xfer Serum ever discounted? – Instruments Forum – KVR Audio
ゆえに、学生であるということは、 Serumを大幅に安く手に入れることのできる唯一のライセンスを手にする権利を有していることを意味します。もし読者の方が学生で、本製品を安く購入したいと考えている場合は、学割価格で購入することをおすすめしたいと思います。
割引ライセンスの発行条件
さて、その学割ですが、このライセンスは以下のような要件のもとで提供されています。
- 定価から 30% 引きの価格
- 学割で購入した製品を使った曲は商業利用可
- 学生であること(年齢は問わない)
- Serum 以外の Xfer Records の製品も全て割引対象
- 本人確認は学籍番号などの載った学籍証明の写しを利用する
XferRecords.com Forums: Student discount より翻訳
Serumの学割価格が定価から30%引きの価格であることは冒頭でも紹介しましたが、割引を適用して入手したライセンスは通常のライセンスと同様で、一切の制限がないということは特筆すべき事柄です。
本人確認の証明方法は、学生であることがわかる書類を提出すれば問題ないでしょう。大学生や専門学生、高等専門学校の人は必ず通るでしょう。中学生でも高校生でも生徒手帳などがあるので、ダメもとで試してみるのが良いと思います。筆者は所属大学の学生証の写しを提出しました。
リクエストを送る
ここまで、Serumの学割についての情報を検討してきました。この章では実際に、ライセンス認証に至るまでの方法を実際に追っていきましょう。概して、xferrecords.com のアカウント作成とログイン、学割の申し込み、そして購入時の割引コードの適用という流れがありますが、まず最初に行うべきことは、自分が学生であることを証明することです。以下の手順を踏んでリクエストを送信しましょう。
サイトのアカウントを登録する
上述したように、学割を適用できる手段は公式サイトからの購入に限られます。したがって、購入まではすべてXfer Recordのサイト内で行う必要があります。Serumを含むほかのプラグインのデモ版などをダウンロードした際にすでに xferrecords.com のアカウントを作成している場合、そのアカウントを利用できます。したがって、この手順は飛ばして問題ありません。もしアカウントを作成していない場合は次の手順でつまずくので、先に作っておいてください。Sign up から新たなアカウントを作ることができます。
アカウントにログイン
以下の Xfer Records 公式フォーラムには、学生割引のクーポンを申請するためのフォームへのリンクが掲載されています。このフォームに飛ぶと、サイトへのログインを求められるので、ログインします。
https://xferrecords.com/forums/general/student-discount
フォームを記入する
アカウントにログインできたら、以下の画像のような申請フォームにアクセスできるようになります。フォームの指示に従って空欄を埋めていきましょう。
用語 | 意味 |
---|---|
First name | 名前 |
Last name | 苗字 |
Address | 住所 ※「英語 Address 書き方」などで検索するといいです |
Zip | 郵便番号 |
City | 住所 ※Address 同様 |
Country | 住んでいる国 |
Telephone | 電話番号 |
Product | 割引を受けたい製品を選択 (今回の場合はSerum) |
学生証を添付する
最後に、フォームの一番最後には学生証などの写真を撮ってアップロードするボタンがあるので、クリックして写真を選択します。筆者は大学の学生証をカメラで撮った画像をそのまま添付しました。
申請完了
学生割引の申請を以上のようにして行い、送信ボタンを押します。すると完了の旨を通知するポップアップが出現します。以上で申請は終わりです。およそ24時間以内に確認完了の旨を通知するメールが受信箱に届くので、しばらく待ちましょう。
割引コードを取得する
先ほどのフォームで送った申請が承認されると、送信したメールアドレス宛に承認完了の旨のメールが届きます。メールの「Click Here to Redeem」をクリックすることで30%オフの割引コードを取得できます。この割引コードは90日で期限が切れるので、都合によってはそれまで購入を先送りにすることも、すぐ購入してしまうこともできます。
購入する
それでは、適当な決済手段(PayPal, クレジットカードなど) を用意して購入しましょう。PayPal の決済では、USDで購入すると為替手数料を安くなる場合があります。無事購入に成功すると、アカウントに登録していたメールアドレス宛に購入完了を通知するメールが届きます。
購入後はアクティベートする
手に入れたライセンスキーは、 [右上のアイコン → Your Account] をクリックした先に表示されています。コピーして Serum をアクティベートしましょう。
Serumを購入して—推しポイント
さて、このようにして入手したSerumですが、毎日の作曲でとてもお世話になっています。少しだけ「推せる」点を列挙してみました。
きれいなオシレーターを装備している
Serumのオシレーターはノイズフロア(信号とノイズの音量比)がとても低く、エイリアスノイズが出ません。なので、ダイナミクス系のエフェクターを使用してもノイズが出てきづらく、結果として澱みのないミックスを目指せます。
多くの人が持っている
Serumには長い時間をかけて培われてきたユーザー数に比例した、たくさんのプリセットがインターネット上に転がっています。また、多くのコンポーザーがGumload、pixivFANBOXやPatreonなどといった、作者向けのクラウドファンディングプラットフォームで独自のプリセットを販売しているところも見かけます。もちろんシンセが得意な人は一からパッチを構築することもできますが、プリセットを研究して、多様な音がどのように構築されているのかを勉強したり、自身の曲に役立てることもできるでしょう。
汎用性の高いSerumFX
Serumを買うと、FXセクションにあるエフェクターをVSTエフェクトとして独立させた、SerumFXをダウンロードして使うこともできます。個人的にこれが最も素晴らしい点だと思います。MIDI信号に同期したサイドチェインなども設定できます。特に、Serumのエフェクターはフィルターとディストーションに力が入っていて、多様なパッチを作ることができます。
おわりに
さて、この記事では、Serumの学割はどのようなものなのかを丁寧に調査した上で、学割を適用してSerumを購入するまでの手順を、順を追って解説してきました。
今回、実際に申し込みの手順を画像込みで紹介しましたが、こうした手順を解説なしに0から自分でやることは難しいと思いますし、なにより、普段海外のウェブサイトからプラグインを購入する経験がない人にとってはなかなか腰が引けてしまうことではないでしょうか。この記事がその後ろ盾となって、本シンセを購入し、読者の方の作曲の、あるいはプリセットエンジニアリングの才能(w)を開花させる一助となることを願います。
学生の内に買った製品(セラム)は学生の期間が終わってもそのまま使い続けられるのでしょうか
コメントありがとうございます。
Student Discount を利用して手に入れられる Serum は普通の製品版と全く同じもので、機能に制限が課せられたり、Spire といったシンセのように商業利用が禁止されているものでもありません。念のため Forum をくまなく見て回りましたが、特にそういった記述もないようなので、そのまま使い続けられると思います。
Yokkin