はじめに
Odin 2では、モジュレーションにおいて重要な「ソース(何で動かすか)」と「接続先(何を動かすか)」それから「モジュレーション量(どれくらい動かすか)」の三つの要素が一目でわかるようになっています。この仕組みはSerumにも似ていますね。

モジュレーションって何?
シンセサイザーにおいて、モジュレーションという意味は、何かのパラメーターを使って2つ以上の他のパラメーターを動かすことです。
例えばFMシンセサイザーでは、最低でも2つ以上のオシレーター(オペレーター)を使って、キャリアとモジュレーターという関係を作り、最終的な音を作りますよね。1つのオシレーターがもう1つのオシレータを早く揺らしたり、強く揺らして音を作っているのです。
また、フィルターをエンベロープを使って動かすこともモジュレーションということができます。エンベロープに含まれるADSRというパラメーターそれぞれには、Cutoffというパラメーターを動かすために必要な最低限の情報があるためですね。
幸いなことに、この手間はゼロから音作りを行う完全なモジュラーシンセでない限り、フィルタ専用のエンベロープがついていることが多いです。Odin2もまた同じです。
マトリクスの見方
ここでは、例としてFMのモジュレーション量をModADSRに接続して、そのモジュレーション量をXノブで操作することで変更できるような仕組みを作っていこうと思います。下の画像を見てください。

まず、このマトリクスは4つに区切って見分けることができます。
Sourceはコントロール元、Dest 1 / Dest 2はその接続先を意味しています。Scaleはこれのモジュレーションの倍率を設定するためのコントロール元として、Xノブを設定しています。
Let’s build!
まずは、状況を作っていきます。Osc1にもともと割り振られているAnalog Oscillatorを削除し、PhaseMod Oscillator に設定します。お好みでModulatorのRatioを2とか3にいじってもいいです。

もしフィルターがオンになっていたら、Bypassをクリックして切ります。

次にSourceとして、ModEnvのエンベロープを設定してみましょう。

次に、モジュレーションマトリクスに目を移し、Dist 1にはOsc1にあるPMのオペレーターのモジュレーション量を設定します。

最後に、Xノブをモジュレーションにかかる倍率を調整するためのノブとして割り当てたいので、ScaleをXノブに振り当てて、このノブのコントロール量を+100に設定します。

結果的に、Xノブをだんだんと上げていくごとにFMのモジュレーションが強くかかるようになり、100にするとModEnvで設定した値が忠実に再現されます。
おわりに
ここら辺の感覚は操作をするうちにだんだんと慣れてくるものなので、頑張って覚えてみてください。Amountを負の値に設定するパターンも学習するとなおいいです。ここでは取り扱いませんが、ここら辺の情報はほかのシンセでも大いに役立つ知識ですので、ぜひ自分で学習してみましょう。